2006年8月6日

この日付を見ると、去年ワシントンのスミソニアン航空博物館で見たB29型爆撃機「エノラ・ゲイ」を思わざるを得ない。ぴかぴかに磨き上げられ、新品同様に修復された原爆投下機はアメリカの誇りなのであろう。爆撃機に関する説明文を見ても、原爆によって何万人もの市民が殺害され、今日も原爆症に苦しむ人がいる事実は、全く記されていなかった。今日もまたイスラエル軍の空爆、ヒズボラのカチューシャロケットによってレバノンやイスラエルで死亡している市民がいることを思うと、世界に戦争の種はなくならないようである。国連で米国とフランスはレバノン停戦に関する決議案について合意はしたが、すぐに停戦が実現するかどうかは、まだわからない。この決議案は、国際平和維持軍が到着するまで、イスラエルがレバノン南部に残ることを認めているだけではなく、ヒズボラの攻撃を受けた場合、イスラエル軍に反撃することを認めている。だがヒズボラに対しては、そのような権利は認められていない。ヒズボラはレバノン南部からイスラエルが撤退することを、停戦決議案受諾の前提条件としている。これらの相反する利害が、完全に調整されるまで、イスラエルもヒズボラも矛を収めることはないだろう。